17`09/12(火) -22:19- BD(+DVD)を購入して、「バイオハザード:ヴェンデッタ」を観ました。
と言う事で、「ディジェネレーション(▲)」、「ダムネーション(▲)」に続く、フルCG映画版の3作目。 ただし、前2作とは監督などが違い、ゲームの正式な設定を元に作られているのは共通しているが、作品としての共通性はありません。 特に顕著なのは、冒頭のシーン。 製作総指揮が「呪怨」の清水崇監督な為か、ちゃんとホラーしていました(^^; まぁ、以降はいつもの、サバイバルホラーでもなければサバイバルでもホラーでもない、ただのアクション映画ですけどねw 今回、特に気になったのは、CGのレベルの高さ。 何度か、キャラクターが本物の役者さんに見えました。 あの「FINAL FANTASY(▲)」みたいに……えぇ、別に褒めていません(^Д^; もう、あれほどの予算を掛けなくても近いCGを描ける時代になったのは凄いと思いますが、そもそもCGで実写そのものを再現するのは方向として間違っていると思っています。 もちろん、実際には存在しないモノを実際に存在する様に見せるのは別ですし、その為にまるで実写そのものって言う描写が出来るのは重要でしょう。 しかし、それはリアリティの為であって、主人公などのキャラクターを実際の役者の様に見せる為ではいけないと思います。 ただ、それは自分の好みの方向性と言う意味なので、客観的に素晴らしい技術である事は認めます。 でも、映画版FFよりも、「アドベントチルドレン(▲)」の様な方向性の方が、特にゲームのCGとしては正しいと思うんですよね。 まぁ、「バイオハザード6(▲)」の時よりは、クリスが筋肉ダルマじゃなかったから良かったけどw 映画としての内容は、まぁ、普通に面白かったかな。 ホラーなのは冒頭だけだし、クリーチャーと戦うアクション映画なのは毎度の事だし、特に良かったとは思わないけど、よくあるアクション映画として普通に面白かった。 そこに、ゲーム版の主人公たちが出て来て活躍するし、久しぶりにレベッカも登場するし、今回特に少ないけどケルベロス、タイラント系とゲーム版クリーチャーも登場するので、ゲーム版のファンとしての楽しみがありますからね。 よくあるアクション映画だけど、今作を選んで観たいと思える要素は充分。 ちょっとだけ気になったのは、死に役と主人公たちの扱いが違いすぎる事かな(^Д^; ゲーム版だと、普通にダメージ喰らっても死なないし感染しないけど、これが映画となると下手に負傷させられない。 それは理屈として判るんだけど、今作は露骨かなぁ。 例えば、珍しく主人公と行動を共にする役名付き雑魚隊員は1人しか死ななかったんですが(笑)、死んだ1人があっさり死にすぎ。 犬の生物兵器(B.O.W)ケルベロスに殺されるんですが、ヴォーパルバニーのクリティカル喰らったかの様に1発で首ちょんぱ(Wiz.ネタなんで、判らない人はスルーでw)。 冒頭のやられ役たちも、苦しまずに簡単に死んで行きます。 それに対して、主人公たちは致死性の攻撃は完全回避だし、その代わりと言わんばかりに殴られるなどの感染リスクのない攻撃は受けまくり。 逆に、そこまでやられまくっていてもすぐ立ち上がって、本当にダメージあるのか?と(^^; やられ役に対するB.O.Wの描写が強すぎるので、それを軽くあしらう主人公たちがスーパーマンすぎるんですよ。 この辺、死に役隊員も1発で首ちょんぱじゃなくて、何度も噛まれてたかられて無残に死んで行ったり、冒頭のやられ役たちももう少し粘るとか。 逆に、これまでの戦いで数多のウィルスに対峙して来て多分T-ウィルスなどへの免疫なり抵抗力は高いだろうから、主人公たちももっと致死性の攻撃を喰らいそうになるとか。 どちらも同じ人間であり、B.O.Wと言う脅威に同様に対峙していると言う体にして欲しい……と、ゲーム版1作目からの古参ファンとしては思いました。 それから、今回のA-ウィルス。 基本的には従来のT-ウィルスと大して変わらないけど、仕掛けが複雑化していてシンプルさに欠けます。 正直、ストーリィ的には「バイオハザード5(▲)」でアンブレラ、及びウェスカーとの決着が付いたので、そこで幕を引くのが一番だったと思っていて、以降の展開は蛇足的だしパッとしない。 人気シリーズだからと水増しを続けているけど、やはり薄まっていますね。 今回の敵は、ネオアンブレラ、トライセルと言ったアンブレラ系企業ではなく、いち武器商人ってのもスケール小さくなりすぎ。 まぁ、自分は世界の命運が掛かった大掛かりなストーリィよりも、ある程度局地的な危機の方が入り込めるし共感も出来ますけどね。 今回は、世界と言うよりもニューヨークの危機ってスケールだから、まぁ、良いっちゃ良いのか(^^; でも、やっぱりラクーンシティが舞台だった頃が一番だな。 個人的には、これからも対バイオテロが収束しないのなら、数十年経過させてメインキャラを刷新。 新たな敵を配して、旧来のキャラたちはゲスト扱いでファンサービス、ってな感じにしちゃった方が良いんじゃないかと思いますけどね。 カプコンは、金になる間はこのまま続けるんだろうなぁ(^Д^; で、今回のA-ウィルス。 ワクチンを接種すると人間に戻れると言う、ゾンビ化ではなく凶暴化ウィルス扱いなんですが……致命傷を負ったりかなり喰われたりした犠牲者が元に戻るの悲惨じゃね?w そこが一番のホラーww と言う訳で、今作も充分面白いゲーム版バイオ映画でした。 着地点を見失ってこの先どこへ向かう気なのか判らないバイオワールドですが、個々の出来は良いですね(^∀^; 警察特殊部隊の新米衛生担当だったレベッカが、細菌分野の教授になっていたのは意外でしたが、こう言う原作に通じる部分はファンとして素直に嬉しいです。 さっさと畳むべきとは思っているので期待はしませんが、ゲームにしろゲーム版映画にしろ、作られるなら作られるでこれからも楽しみです。 原作ファンだけでなく、ホラーっぽいアクション映画(笑)好きにもおすすめですヽ(^∀^)ノ
17`09/09(土) -22:14- 先日、PS2「シャドウ ハーツ」をクリアしました。
と言う事で、「クーデルカ(▲)」の続編として、「シャドウ ハーツ」をプレイしました。 ……うん、「クーデルカ」の続編としては最低だ(-'-) しかし、単独のRPGとしては最高だ(^Д^; 何とも、複雑な心境です(笑) んでは、まず内容説明から。 基本的には、オーソドックスなコマンド選択式RPGで、雰囲気として「ファイナルファンタジーZ」以降主流となっている、疑似3Dのフィールドマップにリアル頭身キャラの戦闘画面。 そこに、ジャッシメントリングと言うタイミングを合わせてヒットさせる、言ってみればアクションゲームのクイックタイマーイベント(QTE)みたいな要素が加味されています。 世界観やシナリオとしては、舞台が「クーデルカ」の15年後であり、ロジャー・ベーコン、クーデルカなど、何人か「クーデルカ」のキャラも出て来るので、特に終盤は正に「クーデルカ」の続編と言う体。 まぁ、主人公やヒロイン、仲間になるキャラは初登場で、舞台も序盤は中国大陸なので、まったく関連のないゲームにも見えます。 さて、取り敢えず「クーデルカ」の続編である事は置いておいて、独立した「シャドウ ハーツ」と言うRPGとしての評価。 正直、システムにしてもシナリオにしてもグラフィックにしても世界観にしても、どこかで見た様な良くある代物の寄せ集めです(^^; ただ、システムにしろシナリオにしろグラフィックにしろ世界観にしろ、総合的に出来は良い。 特に冒険心はなく、新しい事に挑戦していない代わりに、手堅くしっかりとしたゲームに仕上がっています。 世界観をSFファンタジーに置き換えれば、そのままFFシリーズの1本と言っても違和感ないでしょう(^∀^; 一応、ただのコマンド選択式RPGで終わらない様にと、ジャッジメントリングと言う新機軸を導入したつもりでしょうが、こっちは落ち着いてRPGを遊びたいのに、攻撃する度、特技を使う度、アイテムを使う度、買い物をする度、一部イベントの成功判定まで、一々一々音ゲーよろしくタイミング計ってボタンを押さなきゃいけないってのは、俺にはウザかった(^ω^; 正に、アクションゲームのQTEと一緒で、これ誰得なんだよって感じ。 まぁ、それにより、自分の腕前である程度任意にクリティカル狙えたりするので、QTEよりは好きな人もいるかも知れませんね。 一部のやり込み要素絡み以外は難易度も高くないし、個人的には気に入りませんが好みの範疇だとは思います。 そして、そのやり込み要素。 かなりの数を仕込んであって、周回プレイにも対応しています。 好きな人は、相当ハマって遊びまくるだけの可能性を秘めています。 でも、ちょっと秘めすぎw 隠し要素を執拗に隠しすぎていて、普通に遊んだだけでは気付き様がない要素が多いと思います。 個人的に、昔は気に入ったゲームの攻略本を買って来て、その情報を見ながらやり込んだりもしましたが、まだ攻略本は対価を支払って購入したものだから良い。 でも、今はネットで簡単に、かつ無償で攻略情報を検索出来るので、調べて遊ぶのは負けた気がするんですよね(^^; だから、自力で判らない事は判らないままで良しと。 見付けて貰う気のない隠し要素は、クリエイターも隠しておきたいんだから見付けてやらん、とw いくつかやり残しもありましたが、1周だけしっかり遊んで終了しました。 ……ただ、それだけが理由で、1周しか遊ばなかった訳ではありません。 やはり、最大の理由は、「クーデルカ」の続編ではなかった、いや、ではないと思いたい!……からです(^Д^; では、何がそう思わせるのか。 それは、雰囲気です。 「クーデルカ」は、そのシリアスなシナリオに即した、重厚で濃密でそれでいて淡い、ゴシックホラーとして最高の雰囲気を醸し出していました。 その続編である「シャドウ ハーツ」を……何故コメディ調にしたorz いえね、単独のRPGとして考えれば、こう言う軽薄なノリの作品って、むしろ日本のRPGの主流なので、決して悪くありません。 自分も、この手のゲームの先駆けみたいな「FF Z」が大好きだし。 ただね、そうじゃない作品も存在します。 2以降はSD化しちゃってがっかりした「ヘラクレスの栄光」も1作目はリアル指向だったし、スペック的にデフォルメが当たり前だった時分にVRシステムでリアル頭身キャラを操演した「Xak」シリーズの感動は格別だったし、洋ゲーとは違う雰囲気の日本的なシリアスシナリオが「ダイナソア」は最高だった。 下手におちゃらけず、真面目に作品世界を構築する作品が、ゲームにだってあるんです。 「クーデルカ」もそう。 主人公の1人エドワードはチャラいけど、そして数百年を生きる伝説の魔術師ロジャー・ベーコンはユニークだけど、作品の雰囲気に合った演出は守られている。 「クーデルカ」は、全般センスが良いのだ。 それに対して、「シャドウ ハーツ」はなっていない。 OPムービーは別チームが作ったのか、結構シリアスで雰囲気も悪くない。 「クーデルカ」の続編として、わくわくした。 が、主人公がひと言話した途端瓦解しました……何だ、このチャラ男orz 繰り返しになりますが、普通のRPGとして考えれば、こんなチャラい主人公も珍しくないです。 正直、基本的なシナリオも、それ自体は悪くない。 多分、「クーデルカ」同様のハイセンスな演出が守られていれば、シナリオはそのままで充分「クーデルカ2」を名乗れたでしょう。 一応、ゲームそのものは傑作と呼んでも過言ではない出来なので、「シャドウ ハーツ」の開発者も無能者ではないはずで、だからこそ恥ずかしくて「クーデルカ2」は名乗れなかったのかな? 本当に、不幸中の幸いは、「クーデルカ」の冠を外してくれた事ですよ(-'-) と言う訳で、シナリオやキャラクター的に「クーデルカ」の続編である事は残念ながら否定出来ないんですが、「クーデルカ」から「シャドウ ハーツ」まで作品内時間で15年、間があります。 「クーデルカ」の開発者は、普通のゲームは「クーデルカ」しか作っていない特殊な事情のクリエイターさんなので望みは薄いですが、本物の「クーデルカ2」と言う希望はある!? そして、「シャドウ ハーツ」自体はとても面白いです。 「クーデルカ」が、5点満点で2点や3点の項目もあるが5点がたくさんある作品なのに対し、「シャドウ ハーツ」は2点や3点などないが5点もないオール4点の完成度の高いゲームみたいな。 なので、万人におすすめするなら「シャドウ ハーツ」です。 自分も、「クーデルカ」シリーズではなく「シャドウ ハーツ」シリーズとして、いつか「シャドウ ハーツU」も遊んでみたい。 でも、愛しているのは「クーデルカ」です。 だから、結論は「「クーデルカ」の続編なんてなかった。早く「クーデルカ2」出ないかなぁ〜」です(爆) (ブログの方に頂いたコメント(▲))
17`09/05(火) -23:01- BDを購入して、「攻殻機動隊」のハリウッド実写版「GHOST IN THE SHELL」を観ました。
と言う事で、その内容が懸念された攻殻の実写版です(^^; 興味はあったのですが、発売間近までその存在を忘れていた程度の興味であり、買うかどうか決めかねていました。 ただ、事前に吹き替えキャストが押井版、及びS.A.C版準拠なのは知っていたので、それほど心配していなかったのと、DVDのみの販売はありませんでしたが、BD+DVDが思ったより安かったので買ってみました。 取り敢えず、全体的な感想を言っておきますと、ハリウッドのSF映画としては充分面白い映画でした。 もちろん、攻殻として、って意味では色々ありますが、映画として楽しんで観られるってのは大事。 んで、攻殻として色々(^^; まずは、主演スカーレット・ヨハンソンのミラ(素子)ですね。 もちろん、あの素子を実写にしたと思えば、まったくそぐわないビジュアルです。 しかし、今回はミラ・キリアン少佐と言う白人女性の義体だし、元より素子は様々な義体を使い分けたりするので、今回はスカーレット容姿の義体だっただけの話。 スカーレットに以前抱いていた個人的なイメージとも違う雰囲気で、女優として演技、アクションも素晴らしかったので、結果違和感はありませんでした。 他の9課メンバーは、トグサが中華系、イシカワとボーマが黒人、パズが外れて女性追加と、実にハリウッド的(^^; もちろん、あのメンバーを実写にしたと思えば、まったくそぐわないビジュアルの方もいますが、ハリウッドのSF映画として見れば至って普通。 原作やアニメよりも軍隊(の特殊部隊)っぽく見えるだけで、この映画には合っていると思います。 まぁ、唯一、たけしの荒巻だけは浮いているけどねw これは完全な私見ですが、世界の北野に対するリスペクトとして、そのまんまたけし映画のやくざ然としたたけしとしてキャスティングしたんじゃないですかね。 だから、たけしだけ日本語セリフ(^^; 世界的には無名(?)な桃井かおりは英語セリフで、吹き替えを声優さんが務めているから、あの独特な喋り方ではない桃井かおりは変な感じw まぁ、恐れ多くて、世界の北野にはダメ出しも出来ないから、自由にさせただけかも知れないけど(^Д^; ただ、たけしだけが日本語ってのは不自然ではあるけど、世界観として電脳内で翻訳するから何語で話しても意思疎通に問題ないとは言える。 それに、この映画の荒巻は武闘派な人物として描かれているから、やくざたけしは合っている(たけしだから、そう改変されたのかも知れませんが)。 結果、浮いているけどありだと思います……全然、荒巻ではないけど(^^; あとは、原作(と言うか、押井版、S.A.C)へのリスペクトは素晴らしい。 最初の義体制作シーン、芸者アンドロイドテロなど、話の筋こそ違いますが、映像的には高度な形でオリジナルを模倣しています。 ちなみに、特典で紹介されていましたが、それらの映像はフルCGではなく、実際に義体等を立体物として再現して撮影されたもの。 こだわりは相当のものです。 ただ、個人的にはやりすぎな気も(^^; 他に、S.A.Cからは素子のダイビング、押井版からは水面上での光学迷彩格闘、対多脚戦車戦など、中盤以降も重要なシーンとして模倣がなされています。 原作リスペクトとしてはどのシーンも素晴らしいですが、クライマックスまで模倣で行くのはちょっと…… 中盤以降は、もっと映画オリジナルが前面に出た方が良かったと思うんですよ。 あくまでも、押井版を実写で再現するのが目的ではなく、リスペクトしながらも新しい実写版攻殻を創るのが目的なんですから。 初めて観る人は素晴らしい発想だと感心するかも知れませんが、それにはオリジナルがあるって事で、それはこの作品の価値を下げてしまう。 充分、SF映画として素晴らしい作品なので、もっと今作独自の魅力を誇示して欲しかったかな。 あ、あと、舞台が日本なのか香港なのかアメリカなのかよく判らないけど、「アメリカ人の考える間違った日本」的な街並みは、ネタなんだろうけどこれもやりすぎかなぁ(^Д^; 基本的な街並み=ビルが林立する香港みたいな街並みは好きなんだけど、そこかしこにホログラムの顔やら芸者やら犬(押井さんがバセットハウンド好き)だらけ。 ここは、S.A.Cのスタイリッシュな作風の方に合わせて欲しかったなぁ(^^; と言う訳で、たけしの荒巻は思ったほど悪くなかったけど浮いてはいるし、原作をリスペクトしすぎな気もしますが、数あるハリウッドのSF映画としては面白い方。 もちろん、攻殻として考えれば問題だらけだけど、原作リスペクトの実写作品としては、「バイオハザード」に次ぐ良作だと思います。 攻殻ファンなら当然不安だろうから、ハードルが低くなる分ギャップで面白いと感じやすいかも知れないし、ファンでなければ出来の良いSF映画として楽しめます(^∀^; サイバーパンクと言うマイナー(と言うかマニアック?)なジャンルだから万人におすすめとは行きませんが、興味があるなら是非一度観て欲しい映画ですね。
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